英語フォニックス教材を監修した話とオンライントレーニング
教室の稼働日も残すところあと一日となりました。
当教室は年末年始はお休みです。受験塾ではないため、日頃から生徒さんの個々の活動を優先することをおすすめしています。
さて、この一年を振り返ってみようと思います。
コロナ禍も三年目を迎えようとして始まった2022年。
1月、とある教材の監修のお話をいただきました。
触るグリフとの出会い
それは、文字の読み書きに困難さを抱える人のための教材、「触るグリフ」です。
英語指導の経験上、一定の割合で文字が極端に苦手な子がいること、いわゆる、「書いて覚える」が難しい場合があることに気づいていました。
回数を繰り返してもなかなか覚えられない。ケースによっては書けば書くほど混乱していくように見える。口頭では答えられているにも関わらず、筆記はできない。
普段の会話からは理解力に問題があるようには感じられないのに、「書くこと」が学習のステップに入るとつまずいてしまうのです。
なんとか「書いて覚える」のではなく、「書かずに覚える」方法はないものだろうか。
記憶の補強に動作以外の方法はないのだろうか。
探し続けて、昨年、2021年の秋「触るグリフ」に出会ったのです。
触るグリフ「英語フォニックス版」を監修する
早速英語版を取り寄せてみました。旧版の単語シートです。基本英単語と基本例文が記載されていました。
書けるようになるためにはまず読めるようにならなければなりません。読めるようになるためにフォニックスを指導している者として、フォニックス学習に沿ったものが欲しいと考えました。
開発者の先生もフォニックス版の構想がおありだったようで、制作協力のお話をいただきました。構成と監修、つまりフォニックスルールの学習の順序、単語の選定、全体のチェックの担当です。音源は必須と強く提案したため、音声の吹込みも担うことになりました。
触るグリフフォニックス版は3月にリリースされました。(現在は「触るグリフ 英語綴り(スペル)学習用」という商品名になっています。)英語の読み書きに困難さを抱える子どもさんをもつ保護者の方に少しずつ知られるようになり、お役に立てているようです。
オンライン指導に全国からのお問合せ
触るグリフフォニックス版リリース後の5月頃から、英語の読み書きに苦労しているお子さんの保護者様からお問合せをいただくようになりました。
英語の音読指導にお通いいただいている生徒さんの保護者の方はよくご存知かと思いますが、私は対面指導を基本としています。
教室に入ってくるときの様子、しぐさ、姿勢、声の抑揚、目の動き等、発せられた言葉以外の多くの情報を得ることができるからです。また空間を共有する、その場を共にすることで生まれるものがあるとも考えています。
リーディングとリスニングのトレーニングでは必ず英文を筆記します。その書かれた英文からも読み取っているものが多くあるため、英語に関する指導は対面で生徒さんの様子を観察しながら指導するのが必須だと考えてきました。
ですが、実際に多くのお問合せをいただいているのは、困りごとがあってサポートを必要としている方がいるということです。
オンラインでもお役に立てることがあるかもしれない。個々に必要なものを、工夫して提供することが出来るのではないか。
そこでオンラインで可能なトレーニングメニューを構築し、今秋新たな取り組みを始めました。
オンラインでの音読トレーニング
この9月より、九州在住高校生のオンラインマンツーマントレーニングをお引き受けしています。リスニング力を上げることをメインにメニューを構成し、目下トレーニング中です。楽しそうに取り組む様子はもちろんのこと、力がついてきたことが模試等の結果に表れてきたとのご報告をいただき、嬉しく思っています。
コロナ禍を経験し、柔軟であること、工夫していくことの大切さを私たちは痛感しています。新たな取り組みは、対面レッスンに通ってくださっている生徒さんにも何らかの形で還元できるはずと考えています。
奇しくも今年度最後の授業は、オンラインマンツーマントレーニングの体験レッスン。
来る年も常に工夫を模索しながら生徒さんの学びを支えていきたいと考えております。引き続きどうぞよろしくお願い申し上げます。
( 画像は「触るグリフ」のHPより掲載許可を得ております https://sawaruglyph.com/ )